「インバウンド客を獲得したい」
「うちのお店にも、インバウンドが来てくれたら良いのに・・・」
「なんで、うちのお店にはインバウンドがきてくれないんだろう・・・」
などと、お考えの経営者(店長)は多いと思います。
「でも、うちは○○にあるから、観光目的の外国人がそもそも少ないから来てくれないんじゃない」
「うちは、なんの特徴も無いお店だから無理なんじゃない」
などと諦めてしまっているお店が多いのも事実だと思います。
そこで、「インバウンド初心者」でも簡単にできるインバウンド対策をまとめてみました。
それぞれの状況に応じて、各ステップごとに進められるようになっています。
【筆者プロフィール詳細】
飲食店コンサルタント 中小企業診断士 原島 純一
全国各地の飲食店の支援を行っており、特に中小企業・個人店のコンサルティングに特化した活動をしている。
テレビ出演回数も多く、飲食店の現場の改善を数多く成功させている。
【テレビ出演歴など】
・「サンデー・ジャポン」(TBSテレビ)・「ZIP!」(日本テレビ)・「ぽかぽか」(フジテレビ)・「あさチャン!」(TBSテレビ)
・「めざましテレビ」(フジテレビ)・「ここだけは見とけ!」(テレビ朝日)・「所さんのニッポンの出番」(TBSテレビ)
・「専門家100人が出した答え」(日本テレビ) など。順不同
インバウンドを集客する必要性
インバウンドを集客する必要性を感じていらっしゃる飲食店さんは多いと思います。
ですが、インバウンドを集客するのは難しいイメージがありますよね。
まずは、インバウンドを集客する必要性を理解していきましょう。
インバウンドを集客する必要性は下記の3つです。
1.日本人需要の減少の補填
2.平日の売上確保
3.平日の売上確保
それでは、インバウンドを集客する必要性を詳しく説明していきます。
日本人需要の減少の補填
コロナ禍を過ぎてから、日本人の食文化が変化してしまいました。
・会社での飲み会は、基本的には実施しない(忘年会や送別会のみ最小限で)
・テレワーク出勤の増加による帰宅時の飲み需要の減少
・冠婚葬祭などの最小限の実施
・円安物価高による貧困層の拡大
・高齢者のお出掛けの自粛(コロナなどの対策)
など、様々な要因がありますが、日本人の飲食店の需要はますます減少しています。
そのような減少する需要に対して、それを補填するためにもインバウンドの需要を掴むことが大切となってきています。
平日の売上確保
飲食店の売上拡大のためには、平日の夜の売上をどのように引き上げていくのかが課題になります。
平日にいろいろなイベントなどを実施して集客に努めても、やはり消費者の都合を変えてもらってまで来店を期待することまでは出来ません。
そんな平日の売上拡大の救世主がインバウンドになります。インバウンドは来日期間中が平日でも週末でも関係ないので、飲食店の平日の利用が期待できます。
客単価の向上
飲食店は、来店客が遠くから来てくれるほど、一般的には客単価が高くなります。
常連さんより遠くからわざわざ来てくれたお客様のほうが、単価が高くなりますので、インバウンドも国籍や利用動機などにより違いますが、客単価が高くできる傾向があります。
飲食店は、客数×客単価で売上が決まりますので、客単価が高いということは、それだけ良質なお客様であると言えます。
インバウンドが集客できていないお店の特徴とは?
インバウンドの獲得に取り組みたいと思っていても、インバウンドを集客できていないお店には特徴があるんです。
それは、お店そのものではなく、経営者さんのマインドと言っても良いんです。
では、次からその経営者さんのマインドがどのようになっているのか見てましょう。
やる前から出来ないことを考えてしまう
インバウンドに取り組もうとすると、「英語が話せない」とか「質問されたらどうしよう?」などと、対応できないかもしれないことに過剰に怯えてしまい、一歩踏み出すことができないお店が多くあります。
自店舗のことを過小評価してしまっている
「どうせうちのお店なんて」と考えてしまうなど、自店舗のことを過小評価してしまっていて、取り組めないお店も多くあります。
どの店にも、必ず魅力的な価値があります。どのお店にもお客様がいて、そのお店に価値を感じてご来店してくれています。
自店舗の特徴について把握できていない
どのお店にも特徴があり、それが他店との差別化になり、それがお客様にとっての価値となっていることが多いです。
まずは、自店舗の特徴について考えてみましょう。
例えば・・・・
- お座敷がある
- 窓があり開放感がある
- 窓があり、夜景が見える
- 〇〇公園のそばにある
- その地域にしかない食材の○○が食べられる
- 地元のローカルフードである○○が食べられる
自店舗の特徴が分かれば、お客様が感じられる自店舗の価値について、再認識できると思います。
まずは、心構えが出来ていることが大事!
前述のとおり、積極的にインバウンド獲得に取り組んでいないお店は、出来ないことに怯えてしまい、「なんとなく対応できなそうだから怖いからやらない」という理由がほとんどです。
でも、そんなことを考えていたら、何も始まりません。きっとそのような人は、英語が話せないと駄目だから英語ができるまで待とう」となります。でも、今度は中国人が来たらどうしよう?と考えてしまい、前に進めません。
そして、今取り組んでみたからと言っても、いきなり1日に何十人も来ることはありません。お店として来てほしい人の数も最初は、1日10人程度のお店がほとんどです。
いろんなことを考えて動けなくなるより、インバウンドが来たらどんな風に楽しんでもらおうかなと考えているほうが毎日が楽しいです。肝心なことはおもてなしの気持ちをもっているかです。それは、正解共通ですので、言葉なんていらないです。下町のもんじゃ焼き店のおかみさんなんかは、日本語対応だけです。それでもインバウンドの皆さんは、とっても楽しんでいます。「なるようになる」その心がけが最も大事だと言えます。
インバウンド集客のために、すぐに出来る小さな取り組みから始めよう!
すぐにできるステップ
まずは、すぐにできるステップから取り組んでみましょう。
難しいことではないので、取り組んでもらえれば、少しずつ効果が出てくると思います。
それでは、具体的に見ていきましょう!
Googleビジネスプロフィールへの店舗情報の登録
まずは、最も効果があり、インバウンドにも喜ばれると言われているGooglemapに店舗情報を正しく詳しく掲載してあげましょう。
Googleで「浅草 釜めし」と検索すると、
このような検索結果が出てきます。
このように店舗の情報を表示させてくれることを「Googleビジネスプロフィール」と呼び、GBPと略されていることがあります。
そこで、まずは自店舗のGBPをご覧ください。
「このお店のオーナーの方はこちら」と表示されていたら、自分がオーナーですと Googleに申請してもらい、Googleからの確認に対応するとオーナーに認定されて、店舗情報をいろいろ掲載できるようになります。メニュー情報やメニュー写真、営業時間などの情報などをしっかりと入力します。
そうすることで、インバウンドの方がお店を探してくれた時に、母国語に自動通訳されたもので表示されるので、インバウンドの集客に役立ちます。
英語メニューの準備
来店された際に、すべて日本語のメニューですとイメージができないので、英語のメニューを準備してあげましょう。と言っても、英語に翻訳するというより、ローマ字読みにしてあげるだけで十分です。日本の料理を食べにきているので、料理名は、日本名をローマ字読みできるようにしてあげて、そのお店の特徴的なメニューの説明書だけは、英語で説明できるようにしてもらうだけで十分です。WEBで無料の通訳サービスがたくさんありますので、日本語の説明書きを簡単に英語に変換してもらえますので、ご活用ください。
無料翻訳サービスのご紹介
ちょこっとレベルアップ
第2段階としては、こちらもインバウンドの集約には、かなり効果があると言われているインスタグラムでの情報発信です。
まず、Instagramを開設していないお店は、Instagramの店舗のアカウントを開設するところから始めましょう。
ここでは、開設の説明をすると長くなってしまいますので、下記のリンクを参考にしてもらえたらと思います。
・Instagramの開設方法紹介ページ
https://www.shopify.com/jp/blog/instagram-create-account(shopify)
https://appllio.com/instagram-how-to-create-instagram-account (appllio)
お店によって、投稿内容が異なるとは思いますので、他店の事例などを紹介しておきますので、参考にしてもらえたらと思います。
〇居酒屋
・珍しいお酒の紹介(日本酒など)
・海鮮系であれば、本日の入荷した魚介の紹介
・看板メニューの紹介(看板メニューを作っている動画)
・スタッフの自己紹介(動画)
〇バー
・カクテルの紹介
・ジャパニーズウイスキーの紹介(インバウンドに人気)
〇定食屋
・メニュー紹介(定食)
・日替わりなどの紹介
〇主にインバウンド狙いのお店
・外国人観光客との記念写真
どの業態にも関わらず、実際のインバウンドの方からの口コミや、記念写真の投稿などが、その国の方への集客には、とても有効になりますので、ぜひ積極的にお声掛けをしてみてください。
がっつりとした取り組みをして大きく成長しよう
インバウンドがすこしずつ増えてきて、手応えを感じているお店は、もっとがっつりした 取り組みをして、さらに大きく成長されることに挑戦しましょう。
HPの英語訳を作る
現在、自店舗のHP(ホームページ)を持っていない店舗も多いかと思います。最近では、グルメサイトの信頼が失われてきているので、改めてHPの役割が見直されてきています。グルメサイトですと掲載できる情報などにも限りがあります。
インバウンドは一生に1度になるかもしれないその地域での食事を決めることになりますので、やはり情報量が多いほうが安心して来店できます。
いきなり完全な英語版のHPを作成しなくても、日本語版のHPを作っていれば、Googleなどが自動翻訳した形で違う言語で表示してくれたりします。
英語のメニューチラシなどをホテルなどに配る
英語版のメニューチラシを作成できるようになったら、近隣のホテルにチラシを置いてもらうとか、観光案内所に置いてもらうなど、インバウンドと接点がありそうな場所にチラシをおいてもらうことに努力しましょう。ビジネスホテルであれば、周辺地域の情報提供も大切な仕事なので、比較的寛容に受け入れてくれることが多いようです。
まとめ
今回は、誰もが出来るインバウンド対策でしたが、いかがでしたでしょうか?
1日に何十人も来てもらう必要はないので、月間数人でも来てくれたら、まずは大成功と思って取り組んでほしいです。そのような気持ちで、楽しく取り組んでもらえたら、きっと良い成果が出てくると思います。
そして、まずはGBPにだけでも挑戦してもらえるだけでも、変化が出てくると思います。
初めてインバウンド対策に取り組むお店向けの内容でしたので、さらにもっと本格的にインバウンド獲得に乗り出したいお店向けに、また記事を書きたいと思います。
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